進化したAI と脳を融合させると人間の知性が劇的に増強するだろうか? (途中:その1)

はじめに


・Elon Musk が、コンピュータと直接接続するための脳内埋め込み用インタフェース・デバイスの開発に本格的に取り組む(会社設立)…というニュース(下)が話題になっている。


Elon Musk Is About To Turn Us All Into Spacefaring Cyborgs With Neuralink



Plus, as Musk says, we're going to need to be able to compete with AI - which will be able to think orders of magnitude faster than our clunky biological grey matter.

Ref: http://www.zerohedge.com/news/2017-03-27/elon-musk-about-turn-us-all-space-faring-cyborgs-neuralink



his latest venture the billionaire entrepreneur now "wants to merge computers with human brains to help people keep up with machines."

...

“If you assume any rate of advancement in [artificial intelligence], we will be left behind by a lot,” he said at a conference last June. The solution he proposed was a “direct cortical interface”-essentially a layer of artificial intelligence inside the brain-that could enable humans to reach higher levels of function.

Ref: http://www.zerohedge.com/news/2017-03-27/elon-musk-launches-company-hook-people-computers


コメント


・Elon Musk は当面は癲癇などの脳障害者向けの治療を目指すというが、その次の段階の目標は

  ・(A) そのインタフェースで、進化したAI と脳を融合させ人間の知性を劇的に増強させる、

 事だろう。つまり士郎正宗の描いた『攻殻機動隊』の世界(草薙素子が AI と融合する物語)。

・さらに究極の目標は過去記事、

  Singularity:ギーク(理科系オタク)の信奉する携挙 (+追加) (2016-04-28)

 でも取り上げたが、

  ・(B) 人間の意識を AI に upload し、不死を実現させる

 というもの。以上が序論。

・ここからが本題。上の (A) や (B) は失敗する。その理由を以下で説明する。まずは (B) から。

(B) では不死は実現できない


・(B) では不死は実現できない。

・仮に 100万歩譲って、人間の意識をそっくりそのまま完全な形で AI に upload できたと仮定しよう。その場合でも不死にはならない。なぜなら、ある人物の意識(X)を AI にそっくり upload したとして、その AI 上の意識(X') はいわば「意識の影武者」でしかない。

・仮定上、X と X' は本質的に区別できないから、「X 以外の他人にとっては」X が死んでも X' が存続している間は X は実質的に不死と見なしても、さして不都合は生じない。

・だが、問題は X それ自身。「X 自身にとって」は、コピーの X' があろうがなかろうが、死は死のままで不死にはならない。「自分の意識のコピーが存在するから、「この意識」が死んでも「自分の意識」は不死だ」なんてタワケタことを本気で納得できる筈がない。

・実際に銃を頭に突きつけられれば、それは錯覚だったと心底から思い知らされるだろう。

・分かり易い思考実験として…。突然、神が顕れてこう告げたとする。

今、お前の完全なコピー、しかも超長生きのヤツを作ってやった。これでお前は不死なんだろう?  だから(権利・義務面で面倒が生じるから)、オリジナルのお前は即刻 完全消去することにするが、もちろん構わないよな?

Yes はい、と言えるだろうか? (2017-03-29 追記:神の質問が否定疑問文だから、 Yes ではまずいことに気づいたw)

(A) では人間の知性の劇的な増強は生じず、逆に衰退する



……途中……
……途中……
……途中……
……途中……


(2017-03-28)
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No title

この結論には賛同だが、一歩進めて、
義眼、義手、脳の一部→全部と完全なるサイボーグ化を進めていくと不老不死は実現するだろうか?
なんて考え見たりするのが好きです。

No title

こんばんは。

>一歩進めて、
義眼、義手、脳の一部→全部と完全なるサイボーグ化を進めていくと不老不死は実現するだろうか?

脳の神経細胞の挙動を半導体回路などで十分な精度で emulate (or ソフト的に simulate)できれば、老化する脳の神経組織を徐々に人工的に置き換ていく事が、あるいは可能になるかもしれません。そうなれば不老不死が実現できるかもしれません。

実は過去記事、
 「不死は原理的に可能」かも知れない(途中:その1) (2013-05-26)
の中でそれを書きかけ、途中で気が変わって放置しました。

ちなみに「中国語の部屋」で有名な John Searle はそのようなアイデアを批判しています。台風をどれほど高精度で emulate/simulate しても雨が降ってくるわけでは無い、と。同様に脳細胞を emulate/simulate しても意識は生じないであろうと。emulate/simulate のモデル化段階で取りこぼしてしまう、意識現象に本質的な未知の何かが存在している…と。

(2017-03-31)
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