FC2ブログ

真珠湾攻撃時に宣戦布告が遅れたのは、外務省の怠慢ではなく、国の故意だったのでは?

前置


・先日、Trump が武漢肺炎がらみで中国政府を厳しく糾弾したとき、真珠湾攻撃や 9.11 事件を引き合いに出した。それを聞いていてふと、タイトルの件に思い至った。

・こんなことは大人の常識で、あえて口に出すまでもないことのような気がするが、正直、私はいままで全く気づかなかった。

疑惑


・下の過去記事(*1)で、真珠湾攻撃時に宣戦布告が遅れたのは「全て外務省の責任」だと批判したことがある。

・だが、本当は外務省の怠慢が理由で宣戦布告が遅れたのではなく、意図して宣戦布告を遅らせたのではないか? つまり当時の日本国家の最高機関の意思決定として故意に宣戦布告を遅らせたのではないか?

・私は歴史に疎いので、きちんとした裏付けのある論拠を提示できないが(後述の理由で論拠となる文書や証言はもう存在しない筈)、常識で考えても故意だったように思える。

常識で考えて…


・当時の大使館がいくら無能で無責任だったとしても、

  開戦直前の緊迫した情勢下で、送別会だのカード遊びに興じて最も重要な外交文書を放置していた

 なんて話は無理がありすぎる。

・外務省だって、宣戦布告の発布にあたって事前に大使館と念入りな調整を済ませていない筈がない。何の事前調整もなく、突然に宣戦布告の電文を大使館に送りつける…そこまで馬鹿者ぞろいではないだろう。

なぜ故意に宣戦布告を遅らせたのか?


・たぶん、その理由は

  ・短期的な戦益に目が眩んで、自ら汚名を被る長期的な外交損失を過小評価した。
  ・対米戦争に勝てる、もしくは有利な条件で停戦できると予想していた。
  ・負けさえしなければ、宣戦布告の遅れの糾弾を受けても影響は軽微だと判断した。

 からではなかろうか。

・ところが目論見は崩れ、敗戦したので、責任をすべて大使館の怠慢として片付けようとした…こういう筋書きかと。

蛇足


・大方のひとにとっては、このようなことは言わずと知れたこと、言うのは野暮なことなのではないか。この事にこれまで気づかなかったのは、私が根が素直でお人好し(=ウブで鈍い人間)だからであって。

・このことは、アメリカ側だって十分承知(ゆえに絶対に許す気にならない)、日本政府もすっとぼけているが、敗戦時に証拠をすべて焼き去ったので誰も論証はできないと。あとは 1994年に調査委員会のおざなりな調査結果を発表して幕引き…w

(*1)



・それにしても…。Scott Adams もそうだが、アメリカ人が WWII 参戦時の日本を語る時、枕詞のように「卑劣な闇討ち(真珠湾攻撃)」を持ち出す(目の前に日本人がいれば口にするのは避けるだろうが)。当然、Trump もハワイでの演説で真珠湾攻撃の件を持ち出した。

・全て外務省の責任(下記)なのだが誰一人責任を取っていない。誰も責任を取っていないということは、また同じような大失策を繰り返す下地が外務省には残されたままで、国家として大きなリスクを抱えているということを意味する。


・James Rickards のソース記事のタイトルは The Currency Wars’ “Pearl Harbor”(通貨戦争における真珠湾攻撃)となっており、次の文章から始まっている。

The most dramatic battle yet in the currency wars took place last Thursday. It was the financial equivalent of a Pearl Harbor sneak attack…


・日本人はアメリカによる原爆投下を心底では憎悪しているが、アメリカ人は日本の真珠湾攻撃をこのソース記事のように事ある毎に話題し決して忘れない。真珠湾攻撃は日本の卑劣さの象徴となっている。このような卑劣な行いをした日本には戦争の大義はなく、こんな卑劣な国が対戦相手だから原爆投下もやむを得ないものだった…こういった暗黙の認識がアメリカ人の心底にはあるように思う(むろん、公に口にすることはないだろうが)。

・本来、真珠湾攻撃の直前に宣戦布告がなされる計画だったが、宣戦布告が真珠湾攻撃の後になってしまった。遅れた理由は外務省の重大な過失(怠慢)で、この宣戦布告の遅延問題は Wikipedia の下の記事などでも詳しい。これほどの大失策を引き起こし、後々まで国益に破壊的損害をもたらしたにも関わらず、誰も責任を取っていない。このように昭和初期から現代に至るまで外務省は無責任、無能役人の巣窟となっている。


1994年11月20日に外務省は当時の調査委員会による調査記録「昭和16年12月7日対米覚書伝達遅延事情に関する記録」を公開した。現在この資料は外交史料館報第8号で閲覧可能である。この調査などに基づく通説では、6日夜に大使館員が南アメリカへ転勤する寺崎英成の送別会をメイフラワー・ホテルの中国料理店で行っていたこと、奥村が送別会後も大使館に戻って浄書を行わず知人の家にトランプをしに行っていたこと、奥村の英訳親書の浄書・タイプが遅れたこと、14分割目に「大至急」の指示が付されておらず覚書本文の続きであることがわからなかったことなどが原因であるとされている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9F%E7%8F%A0%E6%B9%BE%E6%94%BB%E6%92%83


Ref: James Rickards : SNB の転換がポーランドやハンガリーで住宅債務危機を引き起こす (2015.01.24)


ref: Scott Adams:イスラエルとパレスチナ和平交渉を日本で…という提案を高く評価 (2017-12-28)



(2020-05-26)
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

No title

こんばんは。

>確かに私も今になって気が付かされました。

役所の実務状況をご存知の方からの同意が頂けて嬉しいです。

(2020-05-28)

No title

確かに私も今になって気が付かされました。なんとなく刷り込まれちゃってたんでしょうね。

監督官庁のある仕事をしてますが、まーず、重要な登録書類とか持って行っても受け付けませんからね。
事前相談して書類の案を渡して修正して、持っていくときには、=登録 って状態で初めて受け取ってくれますから。

そういう役人文化的に、開戦なんて重要文書だと、下手したらドラフトからFAXだか何だかのテスト送信とか
全部事前にやってて、送信時間も決まってて、後は押印済みだか、本物(本番)符号付きの通信を待つのみ
って考える方が自然ですね。

たぶん、パーティーをやってて遅れた体(てい)でという感じで、
少しでも奇襲をやってしまったダメージコントロールをしたのではないですかね。

ただ、確か、日米開戦が宣戦布告の国際ルールが決まった後の初めての事例だったので、
今までださずに始める国も多かったし、今回はきちんと出すんだから多少の遅れは問題と
されないだろうという甘い見通しもあったのかもしれません。
プロフィール

横着者 (ご連絡はコメント欄にて)

Author:横着者 (ご連絡はコメント欄にて)

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR