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翼による揚力発生の原理をベルヌーイの定理に求めるのは正しいのか? (途中:その1)

前置


・直前の記事では Wikipedia (日本語版)の

  ref: ベルヌーイの定理 - Wikipedia - https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%8C%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%90%86

 の直感的説明に感心した。


・だが、同じ Wikipedia (日本語版)の記事の中に

ベルヌーイの定理による揚力の発生を「補強こそすれ、否定的な意見とはならない」

 という「詭弁的言い逃れ」と私には思える記述(下)がある。


同着の原理にまつわる誤解


揚力についての一般向けの解説には、

「同着の原理」のため翼の上の流れが下の流れより速くなり、ベルヌーイの定理により翼の上の圧力が下の圧力より小さくなり、よって上向きの揚力が発生する

と説明しているものがある[7]。

「同着の原理」とは、「翼の前縁で上下に別れた流体は翼の後縁に同着する。」という原理である。この原理により、翼の上の経路長が下の経路長より長い場合、「翼の上を流れる速さが下の速さより大きくなる」という翼の周りの流体の速度分布が「導かれる」。しかし、実際には、上面の流れの方が後縁により早く到着し、同着の原理は成り立たない[8]。

現在、「同着の原理」が間違いであることは広く知られるようになった。しかし、「ベルヌーイの定理を揚力の説明に使うのは誤りで、流線曲率の定理やニュートンの運動方程式を使うべきだ」という誤解も見られるようになった。

一般向けの説明で誤っているのは「同着の原理」のみであり、「同着の原理」はベルヌーイの定理とは無関係である。むしろ、同着原理の不成立に導いた、上面の流れの方が後端により早く到着するという実験事実は、ベルヌーイの定理による揚力の発生を「補強こそすれ、否定的な意見とはならない」[9]。 また、ベルヌーイの定理が間違いで流線曲率の定理やニュートンの運動方程式が正しいというのは矛盾を含む。翼の周りの流体の速度分布が正しくわかれば、ベルヌーイの定理でも、流線曲率定理でも、運動量変化と力積(あるい反作用)の関係でも、正しく適用する限り、同じ結果が得られる。なぜなら、これらはいずれもニュートン力学に起源を持つ理論だからである[10][11]。



20200507_wiki.jpg
(切り出し画像)

ref: ベルヌーイの定理 - Wikipedia - https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%8C%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%90%86


・この「詭弁的言い逃れ」と思しき記述のソースとなる Wikipedia のリンクは切れているが、下の Web 記事がそれのようだ。


20200507_haya.jpg
(切り出し画像)

ref: 早川尚男 www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~hisao.hayakawa/lec/air-plane.html - http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~hisao.hayakawa/lec/air-plane.html


これは「詭弁的言い逃れ」ではないのか?


・京都大学の学者先生の説明に疑念を挟むのは心苦しいが、これは「詭弁的言い逃れ」ではないのかという疑念が私の頭の中から払拭できない。なぜなら、どうみても下の赤線部分と青線部分の主張が互いに矛盾している(ように見える)。

20200507_haya3.jpg

・そもそもベルヌーイの定理は

渦なしの流れという条件で成り立つ法則

ref: ベルヌーイの定理 - Wikipedia - https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%8C%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%90%86

 であるのに、早川は

この渦による車輪を力学的な存在と考えれば転がる事で力を翼に及ぼす。

 と説明している。つまり、渦――そこではベルヌーイの定理が成立しない――が揚力を生じさせると。

・なのに、

しかしその事は上の説明を補強こそすれ、否定的な意見と はならない。従って、ベルヌーイの定理に基づく説明が全く間違っている事にはならない。

 という詭弁的言い逃れをしている。なぜ、早川は「ベルヌーイの定理に基づく説明が正しい」とは言わずに「ベルヌーイの定理に基づく説明が全く間違っている事にはならない」というもって回った表現をしたのだろうか? 失礼ながら、それが詭弁であることを薄々、自覚しているからではないのか?








そもそも、それ以前に…


・ベルヌーイの定理が翼の揚力の説明になるのであれば、翼の上下の膨らみの形状をひっくり返せば、飛行機は飛べなくなるはず。

・だが、実際に上下の膨らみの形状をひっくり返した翼をもつ飛行機は実在する(例:スーパー・クリティカル翼型)。

・それに全く膨らみの無い平面の翼でも飛行する(例:紙飛行機)。迎え角さえつけておけば、平面翼でもエンジンの付いた模型飛行機なら長時間の飛行が可能だろう。

・さらに曲芸飛行でよくある背面飛行も不可能となる(これはフラップ云々で言い逃れの余地がある?)筈。







(2020-05-07)
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