ヨーロッパで経済危機による自殺が増加

はじめに:
・妖しさゼロかつ、主流メディアの NYT の記事だが、貴重なヨーロッパの現地報告なので一部を訳してみた。日本の新聞社のヨーロッパ現地取材なんて質・量ともに期待できないし。



抜粋:
・大晦日の日、Antonio Tamiozzo(53歳、自営の建築業)はイタリアの Cicenza の近くにある自社の倉庫の中で首を吊って自殺した。幾人かの債務者たちが彼に債務を返済しなかったのが原因だ。

・その 3週間前、Giovanni Schiavon(59歳、建築業)は Padua 近郊にある彼の経営する本社ビルの中で、自分の頭を銃で撃ちぬいて自殺した。彼は会社の先行きを悲観したのだ。彼の遺書には「すまない。もうこれ以上はやっていけない」と記されていた。

・ギリシャ、アイルランド、イタリアでは、中小企業や起業家たちの自殺が増加している。ヨーロッパの新聞ではこれを「経済危機による自殺」と呼んでいる。

・ギリシャでは 77歳の引退老人が国会の傍で 4月4日に銃で自殺した。無能・無策な国会に対する抗議だった。

・自殺の統計データは各国政府が取りまとめに熱心ではないし、身内が自殺を隠すケースもあって正確ではないが、それでも増加傾向は顕著だ。

・ギリシャでは 2007年に比べ 2009年は 24%も自殺が増加した。アイルランドでは同じ期間に 16%増加した。

・イタリアでは 52%増加した。2005年の 123件が 2010年には 187件となったのだ。

・緊縮財政のせいで自殺が増えていると研究者達は指摘している。

・イタリアの Veneto 地方は 1990年代の経済成長のエンジンだったが、今回の経済危機が直撃した。 Treviso と Vicenza、Pauda を含むこの地方ではこの 3年間に 30件以上の中小企業の人々が自殺している。中国との競争、銀行の貸出抑制、仕事の激減などによるものだ。

・ローマでは今月、Mario Frasacco (59歳、アルミ製品製造会社を経営)が自殺した。彼は現地の中小企業連盟の役員だった。中小企業連盟の他のメンバーたちは彼が 5月に予定されているドバイへの視察旅行を突然、キャンセルしたことに驚いていたが、その理由がこれでわかった。中小企業連盟では彼の冥福を祈って「徹夜の祈り」の集会を開くという。

・自殺した人たちは主に男性で、平均年齢は 36歳。約 40%が無職で 32%が左官業や配管業、電気配線業などの建築関係だった。

・George Mordaunt(44歳)は辛うじて自殺を免れたと言う。彼は 2008年に銀行の厳しい取り立てに悩み、自殺を考えていた。だが眠っている子どもの寝顔を見て、彼の友人の自殺した時の事を思い出した。その友人の葬儀の行列でみかけた友人の子どもの姿を思い出したのだ。

  ・彼は今、自分の経験を生かして、銀行からの取り立てに悩む人たちにアドバイスする Insight という会社を運営している。銀行との交渉のやり方をアドバイスするのだ。
  
  ・下の動画が彼の会社の説明。



・政府が中小企業への代金支払いを遅らせている。それが事態を悪化させている。政府の代金支払いは一般に 180日後だが、それが公衆衛生部門では 2~3年先に引き伸ばされている。ヨーロッパでも最悪の記録だ。(訳注:ギリシャの事かと思ったが、どうもイタリアの事のようだ)

ソース: http://www.nytimes.com/2012/04/15/world/europe/increasingly-in-europe-suicides-by-economic-crisis.html?_r=1&pagewanted=all


コメント:
・日本でも大手電機メーカーが大量に首切りするというから、ローンを抱えた中高年の自殺が心配だ。

(2012.4.23)
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ジャンル : 政治・経済

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