なぜ世界が(全くの無ではなく)存在するのか? → 疑問自体が矛盾 (途中1)

前置き


・直前の記事で George Knapp がタイトルの質問をし、Michio Kaku が物理学者の立場から答えていた。

・この質問は近年、哲学者の間で流行していたものらしい。なので哲学的にも深い意味があるとみなされている筈。

・George Knapp と Michio Kaku のやり取りを聞いていて、ふと以下のように思ったので記録しておく。

この疑問自体が二重に矛盾している?



ひとつ目の矛盾


・ひとつ目の矛盾は、誰もが思いつくことなので大幅に端折って言えば…。この疑問は

  ・(無には理由は不要だが)存在には理由がなければならない

 という暗黙の前提(G)をもとにしている。昔は、その理由は神が創造したからだ…とされてきた。今ならビッグバンによって生じたのだ…とか。当然、その理由は際限なく追求できる。ビッグバンはなぜ生じたのか、なぜ神が存在するのか…等々。

・ゆえにどこかで理由の追求を停止させなければならないが、今度は停止する理由(R)が必要となる。R を案出しても、その R による停止の理由の理由が追求される。よって最後は理由がないことが理由となる(無根拠が根拠だ、神に理由は不要だ…の類)。つまり当初の G を否定することになり、矛盾に行き着く。

ふたつ目の矛盾


・次に説明するふたつ目の矛盾は目新しい筈。たぶん。

・「なぜ世界が(全くの無ではなく)存在するのか?」(=Q)という疑問自体が ある意味、メタなレベルで矛盾している。



(2021-05-01)

Bob Davis 博士:意識が意識作用を解明できる…なんてのは矛盾めいている。

前置


・Robert Davis は "Life After Deth:An Analysis of the Evidence" の著者で、FREE の役員でもある。

Dr. Davis sits on the board of the FREE foundation? The Dr. Edgar Mitchell Foundation for Research Into Extraterrestrial Encounters.



Dr. Robert Davis, an internationally recognized scientist, graduated with a PhD in sensory neurosciences from Ohio State University and served as a professor for over thirty years. He has published over forty articles in scholarly journals and lectured at national and international conferences.


Biography
Dr. Robert Davis, is an internationally recognized scientist in his field, and served as a professor at the State University of New York for over 30 years. Bob graduated with a B.A. and M.A. from the City University of New York and with a Ph.D. in Sensory Neuroscience from The Ohio State University. He wrote three books entitled: the UFO phenomenon, entitled The UFO Phenomenon: Should I Believe?; Life after Death: An Analysis of the Evidence, and Unseen Forces: The Integration of Science, Reality and You.


抜粋(デタラメ)


・17:10 意識が意識作用を解明できる…なんてのは矛盾だ。そういうニュアンスの発言。

コメント1


・タイトルの話題にやや近いのが

  ・眼はそれ自身を見ることはできない。

 という古代からある比喩(ウパニシャッド)。

・だが、例外もある。

  ・オシロスコープは、電子回路の電圧波形を計測する装置。オシロスコープは自身の内部の電圧波形を計測できる(*1)。

  ・人間が作成したプログラムを機械語に翻訳するコンパイラ(高級言語で書かれた初期バージョンのコンパイラ)は、それ自身もプログラムなので、自分自身をコンパイル(機械語に翻訳)できる。そうやって機械語バージョンのコンパイラが出来上がる。

・それに「眼はそれ自身を見ることはできない」という主張も実は正しくない。なぜなら…

  ・瞬きをゆっくりにすれば、まぶたが「見える」。まぶたは眼の一部。
  ・程度の差はあれど、ほぼ全員が軽微な飛蚊症。つまり誰でも眼の中の水晶体の濁りが見える。

  ・眼の中の盲点を「見る」ことができる。下の盲点の実験を参照。

    ref: 複雑なヒトの眼 - 盲点および黄斑、中心視野と周辺視野について - https://www.zeiss.co.jp/vision-care/better-vision/understanding-vision/the-complexities-of-the-human-eye-from-the-blind-spot-and-macul.html

コメント2


・ふと、これは夢だ…と気づくことがあるが、夢の中で自分が夢を見ていることに気づくのは矛盾ではない。

・自分の意識が正常ではない(=異常である)ことを、正常に自覚できても矛盾はない。(車の自己診断機能がわかりやすい例)


コメント3


・シャーマニズム、呪術、祈祷、瞑想、西洋魔術、自己催眠、明晰夢・OBE 訓練なども、自分自身の意識作用をハッキングしようという企ての一種。

・当人は自分の意識を巧みにハッキングすることで「意識の深奥を探求した」、「隠された真理を掴んだ」と思い込んでいるが、実際は逆に意識がハッキングされており、偽物を掴まされている。

コメント4


・意識が意識作用を解明できるかどうか…これがタイトルに含まれている問題だが、この問題には暗黙の前提がある。それは…

  ・人間の意識はそれ自体を(幾分なりとも)意識している。

 というもの。

・だが、この前提がそもそも成立していなかったとしたら? つまり意識がそれ自身を意識している…という前提が錯誤だったら?


(*1)


・電子回路に疎い人は、計測装置が計測中の自分自身の内部を計測できることに矛盾を感じるかも知れない。矛盾を招く再帰的なループが発生していると。

・だが、実際のところ、話は至って簡単。オシロスコープの計測端子は入力インピーダンスが高いため、被測定対象に影響を与えない。つまり、測定することで擾乱を引き起こさない。なので、矛盾を招くような類の再帰的なループは生じない。

・ただし、計測箇所によっては正帰還や負帰還のループが生じるが、それ自体は矛盾でも異常でもない(発振回路の原理)。

音声書写(自動生成)



we got hints from the free
16:04
research that consciousness is critical
16:07
to understanding as best as possible
16:09
because we never will
16:11
we're not gonna understand it until it
16:14
is little revealed to us by the
16:15
intelligence or intelligences if we were
16:20
to know they'd let us know and if we
16:22
were to know truly what consciousness is
16:24
we'd figure it out already because
16:27
there's been thousands of Papers written
16:29
by thousands of scholars far smarter
16:32
than I over the over the centuries on
16:34
consciousness and we're still trying to
16:37
figure out what it is no one knows what
16:40
consciousness is there's different ways
16:41
to exploring a different criteria
16:43
depending upon the discipline what did
16:45
Dean Radin say the other day he's an
16:47
adviser by the way to CCRI consciousness
16:50
in contact Research Institute he's not
16:55
beating us with consciousness and I have
16:57
such respect to Dean and if he says that
16:59
yeah I agree you know what you know what
17:01
I look at it like this it's like we're
17:03
using our consciousness to explain what
17:05
consciousness is how we gonna figure it
17:08
out then it's judgement paradox


動画(1:32:40)


GRANT CAMERON with Neurologist Dr. Bob Davis on Experiencers, Consciousness, NDEs, OBEs
2020-12-16


(2020-12-16)

思考に言語は必須ではない。それを示す複数の証拠データがある。 (途中:その2)

履歴


(2020-10-25) 追加。医学データを追加。たぶんこれが決定版。
(2019-08-12) 作成


はじめに


・思考に言語は必須だ…という俗説を過去記事で何度か批判した。たとえば…

  「人間は言語を使わなければ思考できない」という俗説をシンプルに反証する (途中:その2) (2017-08-06)

  思考するには言語が必須か? → No (+追加2) (2017-07-17)

・「思考に言語は必須ではない」ことを示す複数の証拠データを見かけたので記録しておく。

一部引用


20190812_oct_pp173.jpg




20190812_oct_pp173_ret.jpg

出典



20190808_book.jpg

ピーター・ゴドフリー=スミス (著)、夏目 大 (翻訳) 、『タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源』、みすず書房、2018-11-17、173-174頁

コメント







(2019-08-12)




(以下、2020-10-25 追加分)

前置


・世間によく知られた医学的事実(下)が、「思考に言語は必須ではない」ことを明瞭に示していることに気づいたので追加しておく。

医学的事実



分離脳(ぶんりのう、英: Split-brain)は、脳にある2つの大脳半球を接続している脳梁が、ある程度切断された状態を示す一般用語である。この状態を生み出す外科手術のことを脳梁離断術と呼ぶ。この手術が行われることはまれではあるが、大抵の場合は難治性のてんかんの治療として、てんかん発作の猛威を減らすことにより、物理的な損傷を防ぐために行われる。

分離脳となった患者は、その患者の左視野 (つまり両目の視野の左半分) に画像を呈示された際、それが何の画像なのかを答えることが出来ない。この理由は、多くの人々において言語優位性半球は左半球なのだが、左視野にある画像は脳の右半球にのみ伝えられるためと考えられる。2つの大脳半球の連絡が切断されているため、患者は右半球が見ているものを答えることが出来なかったのだ。しかし、患者は左視野にある物体を左手で掴んだり、認知したりすることが出来る。これは左手が右大脳半球によりコントロールされているためである。

初期の分離脳の研究はロジャー・スペリーによって行われ、マイケル・ガッツァニーガ (Michael Gazzaniga) によって続けられた。この研究成果により、脳機能局在論の重要な理論が生まれることとなった。

分離脳の患者は時々、自らの行動に対する合理的な説明として作話を行うことがある。それは本当の動機が、言語的にアクセスできない右大脳半球で生み出されたため、説明不可能であるからといえる。

ref: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%86%E9%9B%A2%E8%84%B3


上の医学的事実から言えること


・事実:分離脳患者の右脳は言語を使えない。

・「思考に言語は必須だ」という(分析哲学者などが宣う)俗説が正しければ、その患者の右脳は思考していないことになる。だが、実際の医学実験結果(上)はそれを明白に否定している。

コメント1


・分離脳患者の実験はノーベル医学賞の対象でもあるし、昔からよく知られている。だが、私は今までこの分離脳患者の実験結果が「思考に言語は必須ではない」ことを明瞭に立証していることには気づかなかった。迂闊というか鈍いというか。

・最初の記事から 3年を要したが、ようやく確実な医学的根拠に基づいて「思考に言語は必須ではない」事を論証できたと思う。

・たぶん、私の常識が古いだけで、世間では「思考に言語は必須ではない」ことくらいは常識化しているような気もする。

コメント2


・9年ほど前の過去記事(下)で Ludwig Wittgenstein(ウィトゲンシュタイン)などの言語分析哲学を、イメージ能力の枯渇だと批判したが、まさにそのイメージ能力の源泉(=右脳)が Ludwig Wittgenstein 流の哲学の抱える根本的欠陥を暴いた。


・ウィトゲンシュタインにのめりこむような哲学者にありがちなことだが、言語の過大評価とイメージ能力の枯渇が夢に関する彼の戯論の背景にある。

ref: メモ:明晰夢:スティーヴン・ラバージの実験と分析哲学者の戯論 (2012-01-23)


関連


  メモ:明晰夢:スティーヴン・ラバージの実験と分析哲学者の戯論 (+追加) (2018-08-10)

  メモ:眼の左右の視野と左脳・右脳への視神経の配線 (2011-11-26)


(2020-10-25)

Richard Dolan : 私は理想主義者が嫌いだ。理想主義者が世界に多数の惨禍をもたらしてきた。

抜粋(デタラメ)


・39:00

・私は utopian(空想的社会改革主義者、理想主義者)ではない。私は utopian が嫌いだ。私は utopian を信用しない。utopian はこれまで世界を多数の惨禍をもたらしてきた。utopian は危険な人種だから、遠ざけるべき。

・私は 10歳の子供のころは utopian だった。その頃は、現実世界が utopian の思い込みとは異なることを理解していなかった。

講演動画(53:29)


。308 views,Dec 4, 2019
・Richard Dolan - Learning We Are Not Alone (ANP 2018)


コメント


・ありがちな「観念の罠」を Richard Dolan は語っている。理想主義者は、現実(という巨大システムの全貌)が把握できたと思い込み、自己の思い描く理想的デザインに改造すれば、その現実というシステムの欠陥を解消できると本気で信じ込んでいる。もちろん、それは妄想でしかない。

・それが妄想である理由は単純。人間は人間を不完全にしか理解できない。必ず理解しそこなう。どうあがいても人間の挙動を十分に予測できる程には理解しえない。まして人間の大集団ともなれば その挙動の正確な理解も予想もどこかで必ず失敗する。現実世界はその人間の大集団を含む。よって、人間には現実世界を十分な確度で把握することは不可能。

・なので人間が理解できない巨大システムを、理想主義者が根本的に書き換え、その書き換えたシステムがスムーズに起動し、思惑通りに機能し、みんなが幸福になりました…なんて話はありえない。成功するとすれば、必ず失敗するということを前提にして特殊な設計がなされた場合だけ。

・理想主義者の妄想は、古代(宗教)から近代(共産主義、科学教、合理主義、精神世界業界、主だった哲学、芸術至上主義…とキリがない)に至るまで続いているし、今後も消え去ることはない。

・最近になって、もうひとつ流行りの妄想が加わった。それは Yuval Noah Harari らを筆頭とする「 AI+データ主義」によって人間を十分な精度で理解でき、コントロールすることが可能だ…という妄想。

・Facebook の Mark Zuckerberg も、Ray Kurzweil らの Singularity 信者も、その新手の妄想を本気で実現しようとしている。

(2019-12-08)

思考に言語は必須ではない。それを示す複数の証拠データがある。 (途中:その1)

はじめに


・思考に言語は必須だ…という俗説を過去記事で何度か批判した。たとえば…

  「人間は言語を使わなければ思考できない」という俗説をシンプルに反証する (途中:その2) (2017-08-06)

  思考するには言語が必須か? → No (+追加2) (2017-07-17)

・「思考に言語は必須ではない」ことを示す複数の証拠データを見かけたので記録しておく。

一部引用


20190812_oct_pp173.jpg




20190812_oct_pp173_ret.jpg

出典



20190808_book.jpg

ピーター・ゴドフリー=スミス (著)、夏目 大 (翻訳) 、『タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源』、みすず書房、2018-11-17、173-174頁

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