【編】「禅の悟り」は解脱ではない。仏教の素人でも分かる、そのシンプルな論証 (途中1)

前置き


・「禅の悟り」は解脱ではない…以前から私はそう考えていた。だが、仏教知識に乏しい一般人を相手にその根拠をシンプルな説明で理解・納得させるのは無理だと思っていた。だが、最近になってそれが可能なことに気づいた。

・論証は次の 2ステップだけ。

  ・(禅を高く評価している)著名な禅の専門研究者による「解脱」と「禅の悟り」の研究成果の要約記事を引用し、

  ・その「禅の悟り」が「解脱」ではないことを、その要約記事からそのまま、シンプルに導出する。

・ついでとして、解脱ではないものを解脱だと言い張ったがために、禅がその基礎に抱え込むことになった重大な構造欠陥に言及する。

・以下、様々な細部の議論は省略し、核心の部分のみに絞る。

「専門研究者による研究成果」の要約




20210701_p10.jpg





出典:ディディエ・ダヴァン、『『無門関』の出世双六 帰化した禅の聖典』、平凡社、 pp. 10-11

20210701_book.jpg




・(禅を高く評価している)著名な禅の専門研究者とは小川隆。

・その小川隆の研究成果を ディディエ・ダヴァン が要約したのが上の引用部分。

「禅の悟り」は解脱ではない。そのシンプルな論証




関連:シンプル論証シリーズ



  「人間は言語を使わなければ思考できない」という俗説をシンプルに反証する (途中:その2) (2017-08-06)

(2021-07-01)

Dr. Sam Wang : 「イエスの変容」を含め、宗教的神秘体験の多くは高地での酸素欠乏が原因

前置


・Dr. Sam Wang は神経学者。


Samuel "Sam" Sheng-Hung Wang (born 1967) is an Taiwanese-American professor, neuroscientist, psephologist and author.[1] He is known as the co-author of the books Welcome to Your Brain and Welcome to Your Child's Brain, as well as for the Princeton Election Consortium psephology website.[2][3] Wang also gives talks about child brain development, autism, politics, and gerrymandering on television and radio, to academic audiences, and for the general public.

ref: Sam Wang (neuroscientist) - Wikipedia - https://en.wikipedia.org/wiki/Sam_Wang_(neuroscientist)


・その彼が、出版した本の宣伝をかねて C2C にゲスト出演(Original Show Date: February 25, 2008)している。

・ホスト(George Noory)のオカルト色の強い主張(例:大勢が望んだからカテゴリー 4 のハリケーンがカテゴリー1 にまで急速に萎えたのだ…)を巧みに捌いている。彼は露骨に全面否定せず、科学的根拠のある関連事例に話題をずらしてオカルトを回避したりでそつがない。

さわり(デタラメ)


・34:10 2500m 以上の山岳地帯の人々は、

  ・体から光が出たり、
  ・何かの臨在を感じたり、
  ・恐怖を覚えたり、
  ・OBE を体験している。

  これはストレスと酸素欠乏が原因だろう。

・同様に世界の主要な宗教体験の多くは標高が高い場所で起きている。「イエスの変容」(transfiguration of christ)は標高 2500m の山の上だった。muhammad も山の上で大天使を幻視。

参考



主イエスの変容(しゅイエスのへんよう、Transfiguration of Jesus)は、福音書に記述された、イエス・キリストが高い山に弟子たち(ペトロ、ヨハネ、ヤコブ)を伴い、旧約の預言者であるモーセとエリヤと語り合いながら白く光り輝く姿を弟子たちに示したと聖書に記された出来事をいう(マタイによる福音書17章1節 - 9節、マルコによる福音書9章2節 - 8節、ルカによる福音書9章28節 - 36節)。

ref: 主イエスの変容 - Wikipedia - https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%BB%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%81%AE%E5%A4%89%E5%AE%B9


コメント


・Sam Wang の説はもっともらしいが、いささかご都合主義的な臭いがする。3人が同時に同じ幻覚…というのが苦しい。心理学者の十八番、集団催眠を持ち出すにしても、集団催眠の事例自体がかなり疑わしい(*1)。さらに低地で起きた無数の事例を完全に無視してもいる。

・そもそも、山岳地帯の人が酸素欠乏でそういった体験をするという話が疑問。彼らは体の心肺機能が高度に順応している筈。むしろそのような幻覚は、コカの葉を噛みながら労働するといった南米民族の風習の結果ではないのか。

・チベット民族、アルプス地域民、登山家の多数が

  ・体から光が出たり、
  ・何かの臨在を感じたり、
  ・恐怖を覚えたり、
  ・OBE を体験した。

 という具体的データが示されない限り、Sam Wang の説はそういう憶測もあるね…程度の説得力しか持たない。

(*1)


・心理学者の持ち出す集団催眠説はどれも根拠の薄い「雑多な逸話」と学生を被験者とした雑な実験に基づいている…そう私は見ている。むろん、集団催眠に関するきちんとした実験データを提示されれば意見を変える用意がある。

・なお、有名なゴリラ実験の類は集団催眠とは無関係。注目の対象以外は意識に残らないという日常よくある話と、幻覚を見たという話は別物。

関連の過去記事


メモ:光を発する行者の写真 (2011-12-28)

音声書写(自動生成)



展開

it has been suggested that these
33:51
things
33:51
arise from unusual activity like seizure
33:54
activity
33:55
in the parietal part of the cortex
33:58
and that they may be associated with
34:01
seizure activity
34:02
in that part of the brain and there's a
34:04
piece of evidence for this that's kind
34:05
of funny
34:06
uh one group of people who report these
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sorts of experiences who
34:10
are not experiencing them in a spiritual
34:12
way
34:13
is mountaineers uh it turns out that
34:16
mountaineers who get up above about 7
34:18
500 feet 2500 meters
34:21
report uh body photism which means a
34:23
body part
34:24
emits light or they report feeling a
34:27
presence
34:27
feeling fear uh feeling their own bodies
34:30
outside their bodies is that lack of
34:31
oxygen
34:32
it's been suggested that what triggers
34:34
it is a combination of perhaps stress
34:36
and lack of oxygen
34:38
which then can increase the likelihood
34:39
of a seizure and so
34:41
it's possible that a causal agent
34:44
in um in having these visions for
34:47
mountaineers
34:48
is the lack of oxygen and uh and also
34:50
one one thing that's kind of funny now
34:52
this is speculative
34:53
if you look at major stories in the
34:56
world's religions
34:57
some of them have happened an unusual
34:59
number of them have happened
35:00
at high altitude so for instance the
35:03
transfiguration of christ
35:05
happened on top of a mountain that's
35:07
about 2 500 meters high
35:09
and muhammad had visions in his mountain
35:12
retreat
35:13
and and then there's a peasant in mexico
35:16
who saw the virgin of guadalupe
35:18
also on a mountaintop


Q)
and you think
35:21
that's just a brain function
35:23

A)
well just a brain function




音声(1:14:46)


The Most Sophisticated Info Processing Device… The Human Brain


(2021-01-24)

神が存在してもこの世界から悪や悲劇が消えない理由 (途中:その3)

履歴


(2021-01-16) 追加
(2020-07-25) 追加
(2020-06-26) 作成


前置


・…を思いついた。大した内容ではないが忘れない内に記録しておく。たぶん、誰かが同じようなことを思いついて述べている筈。

背景


Richard Carrier 博士 : 神は存在しない。それは 2300年前に論証されている。 (2018-11-25)

関連


神はどこにいるのか?

神が存在するのならば、神は私に許しを請わねばならない (2013-05-20)

田川建三の「存在しない神」に対する恨みと未練 (2018-08-26)

田川建三:「真のクリスチャンは神を信じない」。なぜなら神は偶像であり、実在しないゆえに。 (途中:その1) (2018-08-10)


メモ:キリスト教における「邪悪な存在」と神 (2012-02-01)

田川 建三 : イエスが抱えていた人間的ゆがみ、屈折、愚かさ。 私:イエスの最後の言葉はこうあるべきだった。 (2019-07-24)

エピクロスのパラドクス



He is famous also for the Epicurean paradox:

Is god willing to stop evil, but unable? Then he is not omnipotent.
Is he able but not willing? Then he is evil.
Is he willing and able? Then why is there evil?
Is he unable and unwilling? Then why is he god?

ref: https://www.reddit.com/r/philosophy/comments/2hippw/epicurus/


エピクロスのパラドクスはこうすれば解ける








(2020-06-26)




(以下、2020-07-25 追加分)

前置


・上のパラドクスを述べたエピクロスも、


「神が邪悪を廃することを欲しないか、廃することができないか、どちらかである。もし彼がそれを欲しないのであれば、神は善ではない。もし彼がそれをなし得ないのであれば、神は全能ではない。」
 ref: メモ:キリスト教における「邪悪な存在」と神 (2012-02-01)

 と述べたアウグスティヌスも、

 神が存在するのならば、神は私に許しを請わねばならない (2013-05-20)

 と彫った囚人のユダヤ人も、

 神はどこにいるのか?

 と問い、皮肉な答えをぶつけた Elie Wiesel も、

 田川建三の「存在しない神」に対する恨みと未練 (2018-08-26)

 の田川建三も、みな勘違いをしている。彼らは皆、(全能にして善なる神がいるのならば)

  「神は我々人間を放置しない筈だ。人間の苦境や苦難救ってくれる筈だ」(GSU)

 という神に対する強烈な依存と未練を抱いている。この GSU は幼児が母親に抱く心情を成人後も神に投影したものだから、根深い。

・だが、全能にして善なる神がいても GSU は成立しない。つまり、全能にして善なる神は人間を救わない。その理由は単純。それを理解するのに、難解な神学や禅問答めいた精神世界の戯言などは不要。常識で足りる。

・問題は全能という言葉。この全能という言葉が落とし穴。その落とし穴ゆえにパラドクスと見なされてきた。だが、以下のように無限集合論のアナロジーによって落とし穴が回避できる。

万能にして善なる神が人間を救済しないわけ


(2021-01-16 begin)

・一言でいうと…。神のような存在にとって、人類は救済すべき対象とはならない。これが理由。

・神は全知全能という意味で人間から隔絶した存在。その隔絶ゆえに、神から見ると人間は慈悲や善を施す対象にはなりえない。神の義を求める対象にも、救済の対象にもなりえない。

・人間はバクテリア社会に人間の正義や道徳の観念を適用させようとは思わないし、バクテリアに人間を信仰して欲しいとも思わない。神にとって人間はバクテリアのようなもの。

・以下、最近の記事からの引用。

・同じことが神にも言える。神のような能力のある存在は、人間など相手にしない。人間は排水溝のバクテリアを支配・監督しようと思えばいつでもできるが、誰もそんなものを気にかけない。バクテリアが死滅しようが少しばかり増えようが気にしない。バクテリア社会の中の不遇な個体の願いを叶えてやろうとかは思いもよらない。

・その神は、その神の所属する社会で(我々には想像もつかないが比喩で言えば)競争し、悩み、苦しみ、救いを求めている。バクテリアに人間の借金苦が分からないように、人間も神の苦悩はわからない。

・神は人間にとっては全知全能の存在だが、神の世間では万能ではなくただの凡夫の一人。それゆえ、神は超神に救いを求める。神には人間を救おうというような余裕も意図もない。

・超神も同じことで、超超神に救いを求めている。エピクロスのパラドックスもこれで解ける。そしてこれが、

神が存在してもこの世界から悪や悲劇が消えない理由 (途中:その2) (2020-07-25)

 となる。

・エピクロスのパラドックスは「全知全能=無限の能力」としたとき、無限は一種類しかないという近代以前の常識に基づいている。Cantor によって拓かれた無限集合論によって、無限には大小の差異があることが明らかとなった。雑に言えば整数より実数の方が無限に「大きい」。

・同じように人間の意味する全知全能と人間以上の存在が意味する全知全能とではその間に無限のギャップがある。

ref: Jordan Maxwell : 地球を支配しているのは人間ではなく ET だ。 (途中:その2) - http://news21c.blog.fc2.com/blog-entry-17360.html (2021-01-15)


人間が神になったら( or 解脱したら)どうなるのか?


・ついでに…。仮にだが、(どういう経緯かは問わないが)人間が人間を超越したらどうなるのか?

・答えは、その元人間はこの世界(=人間が認識可能な範囲)から消え去る。その元人間がこの世界を指導したり救済することはない。仏教的に表現すれば「還相の菩薩」は存在しない。

・いったん運転免許を取得したら、誰もかつての教習所に通わない。刑期を終え出獄したら誰も仲間のいる刑務所に戻ろうとしない。卒業生がふたたび生徒として同じ学校に戻ってくることはない。それと同じこと。彼らには新たな世界で、新たになすべきことがある。


・だが…。そもそも、神は世界に存在していてはならないもの。世界が世界として存続するためには、神は不在でなくてはならない。その意味で神の不在は必然。

ref: フィリップ・K・ディックの神秘体験とその検証 (+追加) (2018-08-04)


(2021-01-16 end)

蛇足


・この問題に絡めて田川の
田川建三:「真のクリスチャンは神を信じない」。なぜなら神は偶像であり、実在しないゆえに。 (途中:その1) (2018-08-10)
 という主張を考えると…


(2020-07-25)
(2021-01-16)

宗教的境地とは何か。

以下、頂いたコメント


相手がどの程度の境地に達しているのかは自分もその境地に達していないと判断できないのでは?算数しか勉強したことのない小学生に数学部大学生の数学レベルがどのくらいであるのか正確に判断できないのと同じように。

ref: http://news21c.blog.fc2.com/blog-entry-17269.html#comment403


の返事です。長くなったので記事にしました。

宗教的境地が数学の能力に依存するのであれば仰る通りでしょう。ですが、チューラパンタカ(須梨槃特)の例からも明らかな通り、宗教的境地は数学の能力とはほぼ無関係です。卓越した宗教者なら数学の大発見を成し遂げるわけでもないですし。

この意味で、宗教的境地は数学的な能力にではなく、芸術的な感性に類似しています。ピアノ・コンクールの優勝者でなくとも、Vladimir Horowitz が超一流のピアニストであること位は判別できます。楽譜も読めないド素人だって超一流音楽家と二流の違いをわけなく判別できます。大聖堂のような建築物の素晴らしさは、建築技師でなくともわかります。自分が美人でなくとも、美人を識別できます。調理師でなくとも料理が美味いかどうかはわかります。


さらに言えば…。宗教的境地は共同体の間で共有される模範幻想の一種ですから、多数派の凡人にもそれがある程度は察知できなければなりません。誰にも察知できない宗教的境地は存在しないのと同じです。もともとが幻想ですから、実体はありません。なので曖昧に察知されるだけの虚構的存在です。虚構ですが、カネと同じで共同体に強い影響を及ぼし、構成員の思考パターンを支配します。

宗教的境地に関する「相手がどの程度の境地に達しているのかは自分もその境地に達していないと判断できない」という発想それ自体もまた、共同体の間で共有される模範幻想に含まれています。日本でいえば、悟りとはこういうものだ、悟った人物の行いはこういうものだ…という模範幻想がそれで、禅語録の類がその普及の役割を担ってきました。

卑近な例で喩えると、宗教的境地は、講談話におけるヤクザの親分の「貫禄」みたいなものです。ヤクザ社会という共同体の間で共有される模範幻想の一種が「貫禄」です。禅語録に対応するのが講談話でどちらも虚構のオハナシです。

(2020-12-29)

Dana Coverstone : 予知夢について質問に答える。

前置


・数日前に up された Dana Coverstone のインタビュー動画。

・冒頭から 5:10 あたりまでは youtube チャンネルの宣伝なのでスキップ推奨。時間の無駄。

抜粋(デタラメ)


・5:15 から Dana Coverstone 本人の登場。

・私の住む地域の人口は 1400人。私の教会の信者は 80人しかいない。なのに予知夢を語った 15分の Facebook の動画は数百万人が見ており、反響にたじろいでいる。この動画は Facebook で今年、最も共有されたものだと公認されている。

・28:20 私は Trump の支持者で、Trump に投票した人間だ。だが、私の予知夢ではワシントン/ホワイト・ハウスには(大統領がいないというだけではなく)指導者が誰もいなかった。もしかすると混乱を避けるために地下壕などに退避していたのかも。

・35:20 host が中国とロシアの兵士、国連の兵士が混乱した市街で米国民に指示していた件で、質問。
  Q) その情景は比喩的な感じ(たとえば、中露の影響力の比喩)なのか、それとも実際に中露の兵士が実際に米本土を押さえているという感じなのか?

  A) 米軍の姿は全く見かけなかった。中露の軍事輸送の情景、戦車、国連の軍車両は見かけた。
    (中露による)米本土の占領のシーンは見ていないが、中露の兵士が米本土(ワシントンとは限らない)の安定化のために登場したシーンを見た。

動画(45:36)


Prophetic Pastor Dana Coverstone | Ep 40
2020-07-25


(2020-07-28)
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